・このｳﾞｧｲｵﾘﾝの大きな特徴として、本体内部左側に「ﾏｰｸ　Ｒｅｇｉｔｅｒｅｒｄ　Ｓｃｈｕｔｚｍａｒｋｅ　Ｍａｒｃａ　ｒｅｊｉｓｔａｄａ．」と印刷されたものと右側にＪａｃｏｂｕｓ　Ｓｔａｉｎｅｒ　in　Ａｂｓａｍ　ｐｒｏｐｅ　Ｏｅｎｉｐｏｎｔｕｍ　1728」と記載されています。また裏板のトップ部にSTAINERのﾌｧｲｱｰｽﾀﾝﾌﾟで刻印が施されています。よってﾗﾍﾞﾙから判断しますと1728年製のSTAINERのモデルを参考にドイツ語表記なのでドイツのシュツッツマルクという工房で製作されたもののようです。製造の時期についての表記はないので、その造りや木材の変化から1950年代に製作の70-80年の経年のヴァイオリンと推測いたします。・使用されている木材は良質の表板のスプルースと、虎杢目がはっきりと表れたメープルが使用されてしっかりした造りになっています。ただ一点表板のｆ字孔左側下部に10㎝程度のｸﾗｯｸ跡がありましたので、その確認と清掃も含めいったん表板を剥がして、確認を行いました。そしてきちんと接着されておりましたが今後のことも考え複数のパッチ材でその個所を補強しておきました。そして再装着後に経年の汚れとニスの劣化も見受けられましたので、オリジナルのアルコールニスで複数回リペイントを行っております。・肝心の音については、経年から角の取れた丸みのある音で4弦共鳴っており、低音部の唸る様な音と高音域の透明感のある響きが印象的です。ただ音に関しては人それぞれの感じ方も異なりますので、へたくそで聞きずらい演奏ですが、音源としてYOU　TUBEにアップしていますので、関心のある方はコピペの上お聞きください。 ・付属品：ケースは青色のカバーがかかったひょうたん型のモノに入れてお送りします(ファスナーが一部壊れています)弓：フェルナンブコ製の腰があり曲がりもない非常に演奏しやすいものが付属します。弦：ナイロン弦の新品を張っています。駒：新品のモノを調整後セットしています。フィッティング類：ﾍﾟｸﾞは劣化が見られたので装飾付きの黒檀製の新品のモノを調整後セットしています。他はオリジナルのモノです。重量：４７８ｇサイズ：全長５９３ｍｍ　ボディー長３５９ｍｍアッパー169mm　センター113mm　ロアー206mm　弦長328mmとほぼ標準