日本語臨床の深層 北山修著作修1 ・2見るな禁止言葉の橋渡し機能 およびその壁北山 修岩崎学術出版社本書は、言葉の「橋渡し機能」とその「壁」に関する私の臨床体験と考えを述べた文章を集めたものである。最初の部分はまだまだ精神科医としてかけだしの頃だったので、ほとんどの文章が、「たかが言葉」という感覚に対して挑もうという野心にあふれた内容である。また精神療法過程を言葉の相で描出しているので、これが精神療法のすべてではないし、また精神療法の教科書のようなものが目指されているわけではない。それに、それぞれが原稿用紙二〇―三〇枚の形式の中に内容を収めようとしているために、書き方に余裕がない。しかし同時に、「論文」を書くことは、書きたいことをはっきり提示させて、書いたことが著者に反省を迫り、記した言葉と技量の限界と範囲を明らかにしてくれる。このような言葉の媒体としての特徴は、とても貴重であると思う。さて、このような私の言葉の機能に対する関心は、主に話し言葉のそれについて書くことにある。つまり、患者と話すことと読者に向けて書くことの間を揺れることにある。話し言葉と書き言葉とをはっきり区別する日本語は、こういうことに敏感だし、また実際に使い分けが可能なのである。#北山修 #岩崎学術出版社 #言語 #言葉の橋渡し #精神療法 #精神分析 #心理 #心理学キズあります。